忙しさは現代人の共通の悩み
「1日があと2時間長ければ……」そんなふうに思ったことはありませんか?
朝はバタバタ、昼は仕事に追われ、夜はクタクタ。
気づけば1日があっという間に終わっている。
そんな毎日を送っている方は、決してあなただけではありません。
むしろ、これは今を生きる私たち、特に30代から50代の男女にとって、ごくごく自然な感覚だと思います。
かつては「仕事が忙しい」と言えば会社の話がメインでしたが、今はそれだけではありません。
家庭のこと、親の介護、子どもの送迎、さらにはスマホから飛び込んでくる大量の情報まで。
私たちはいつの間にか「隙間のない生活」を送るようになってしまったのです。
でも、だからといって何も変えられないわけではありません。
今日は、そんな忙しさを少しでもラクにする「心得」について、いくつかお話したいと思います。
時間の使い方には“くせ”がある
まず、時間がないと感じる人の多くに共通しているのは、「完璧を求めすぎる」傾向です。
・メールを1通返すのにも丁寧に言葉を選びすぎる
・家事をすべて自分でやらなければと背負い込む
・何か頼まれたら断れない
これらは一見、まじめで優しい証拠とも言えます。
でもその優しさが、自分をどんどん追い詰めていってしまうのです。
「このくらいでいいか」という“ほどよさ”が、忙しさをラクにする第一歩だと思っています。
忙しい人ほど、「やるべきこと」と「やらなくてもいいこと」の見極めが大切です。
そしてもうひとつ、意外に盲点なのが「自分にしかできない」と思い込んでしまうこと。
家族や同僚にお願いすれば済むことを、ひとりで背負い込んでいませんか?
もし「手伝って」と言えないのであれば、まずは「聞いてくれるだけでもうれしい」と伝えてみるのも手です。
忙しさに飲まれない心得5つ
では、どんな心得を持てば、時間に振り回されずに過ごせるのでしょうか。
私が大切だと感じるのは、次の5つです。
● 完璧よりも「まず動く」ことを優先する
→完璧を目指すと動きが止まってしまいます。
まず一歩を踏み出してみて、あとは微調整で大丈夫。
● 「やらないこと」を決めておく
→ToDoリストを作る人は多いですが、Not To Doリストも同じくらい大切です。
例えば「夜9時以降はスマホを触らない」など、自分の中のルールを作るとラクになります。
● 「小さな満足」を拾いながら生きる
→時間に追われていると、達成感が遠のきます。
でも「今日は洗濯物たたんだ」「子どもに笑顔で返事できた」といった小さな満足を見つけていくと、心の疲れ方が全然違います。
● 自分の時間を“予約”する
→気づけば1日が終わっていた、というのは、自分の時間を確保していないから。
カレンダーに「自分時間」と書き込んでおくと、意識が変わります。
● 無理なときは「やらない勇気」を持つ
→体調が悪い日、どうしても気分が乗らない日。
そんな日は無理して動かず、あえて「休む日」として過ごす。
それも、長く健康に生きるための知恵です。
「自分時間」を見直すと、生活が整う

忙しさのなかでもうひとつ意識したいのが、「自分だけの時間を持つ」ということです。
これは贅沢でもワガママでもありません。
自分のこころを保つために、ほんの5分でもいいから、「ひとりの自分」に戻る時間をつくる。
これを意識するだけで、日々の疲れ方が変わってきます。
おすすめは、朝の5分間ルーティン。
家族が起きる前の、ほんの少しの静かな時間に、
・お気に入りのカップでお茶を飲む
・深呼吸を3回する
・今日の「楽しみ」を1つ思い浮かべる
こんなことをするだけで、驚くほど気持ちが整ってきます。
また、「夜の自分時間」もおすすめです。
寝る前の10分、スマホを手放し、照明を暗めにして、自分のこころと向き合う時間をとる。
「今日がんばった自分に、ありがとう」と言ってあげる。
これが、1日の疲れをリセットする習慣になります。
忙しい日常にユーモアを添える
ここまで読んで、「やっぱり自分には時間がない……」と落ち込んでしまった方。
どうかご安心を。
私もそうですが、時間に追われている時ほど、物事が深刻に見えてしまいます。
そんな時こそ、ちょっとしたユーモアを意識してみてください。
「また今日も朝からバタバタ。でも無事に靴下は両方履けた!」
「夕飯はレトルトカレー。でも皿に盛れば料理っぽい!」
そんなふうに、自分を笑わせるクセをつけておくと、
ちょっとずつ心に余裕が戻ってきます。
忙しさは、真面目な人ほど飲み込まれてしまいやすい。
だからこそ、ユーモアという心のスパイスは、意外と大切な存在なのです。
ちなみに私の最近のお気に入りは、
「冷蔵庫の中身でクイズを作る遊び」です。
例えば、息子に「これなーんだ。白くて四角くて冷たいもの!」と問題を出すと、
「とうふ!」と答えてくれたり。
こういう遊びの中に、親子の時間とリラックスが同時に生まれます。
忙しさの中にも、笑える瞬間を作っていく。
それが、心の余裕を育てるひとつの方法なのかもしれません。
デジタル疲れを見直す
見逃されがちな“時間泥棒”の正体、それがスマホやSNSです。
ちょっと調べものをしていたはずが、気づいたら30分。
ニュースや投稿を見ているうちに、なぜか気持ちまで疲れている。
そんな経験、ありませんか?
時間がないと感じるときこそ、スマホ時間を意識的に減らすことが効果的です。
おすすめの方法は:
・スマホを別の部屋に置いておく
・アプリの通知をオフにする
・見ない時間帯を決めておく(例:朝7時〜9時)
こうしたちょっとした工夫で、気持ちと時間の両方に余裕が生まれます。
忙しいあなたへ
時間が足りないと感じた時、
まずは「やらなきゃいけないこと」ではなく、「本当にやりたいこと」に目を向けてみてください。
日々の忙しさは、誰にでもあります。
でもその中に、自分だけの“余白”をつくることで、
気持ちの持ち方がガラリと変わってくるのです。
今日お伝えした心得を、どれかひとつだけでも、ぜひ明日から試してみてください。
がんばりすぎない。
自分を責めない。
そして、小さな「いいこと探し」を、こっそり続けてみてくださいね。
「自分を取り戻す静かなひととき」が、あなたの毎日にそっと寄り添えることを願っています。
